夜叉ヶ池

■ 夜叉ヶ池
岐阜県揖斐川町と福井県の県境にある標高約1,100mの神秘的な池
一度も水が枯れたことがないと伝えられる
登山でしか行けない「秘境」系スポット(徒歩約1.5時間)
👉 エメラルドグリーンの水面で、かなり幻想的

雰囲気
ブナの原生林に囲まれた静かな池
ニッコウキスゲなど高山植物が豊富
「ヤシャゲンゴロウ」という珍しい生き物もいる

伝説

■ 伝説
この池の伝説には、いくつかバリーションがありますが、 概ね共通するのは、これ👇
昔、日照り(干ばつ)が続いて村が困る。
ある時、村を治めるものに、白蛇(龍神)が語りかけ、
嫁つがせる対価に雨を降らせると約束する。
村を救うため、娘「夜叉姫」が池に身を投げる。
龍神の花嫁となり、雨を降らせて村を救う。
めでたしめでたし。
👉 だから
**「雨乞いの池」**とも呼ばれる。
今でも、「夜叉姫」を慰めるため、紅や白粉を池に奉納する習慣がある。

PROJECT

「夜叉姫は龍神の花嫁になりましたが、実は最強の水属性魔法使いでした」

昔々――ではなく、俺が目を覚ました時、そこは見知らぬ山奥の村だった。

どうやら俺は、少女「夜叉姫(やしゃひめ)」として転生してしまったらしい。
しかも――
「今年も雨が降らねぇ……このままじゃ村が終わる」
完全に詰んでる世界。
干ばつ。飢饉。救いなし。
そして村に伝わる最悪の風習。
「雨を呼ぶためには、“生贄”が必要だ」
……いやそれ俺じゃん。


本作品はフィクションです。
夜叉ヶ池および夜叉姫の伝説をモチーフに、現代風にアレンジした創作物になります。
作中に登場する人物・団体・地名・伝承等は、実在のものとは関係ありません。
また、実在の名称が登場する場合も、作品上の演出であり、実際の内容とは異なる場合があります。

GALLERY

安八太夫と白蛇
安八太夫と白蛇

安八太夫と白蛇

その村では、雨が止まって三年が経っていた。
田は割れ、川は枯れ、空はただ青いだけ。
そして――
「今年こそ、“夜叉ヶ池”に捧げねばならぬ」
村の長、安八太夫(あんぱちだゆう)は静かにそう言った。
そのとき。
足元で、何かが動く。
白蛇が、細く、白い体。
陽の光を受けて、
わずかに輝く。

安八太夫は、苦笑する。
「……お前も、水を探してるのか」

白蛇が、
一度、舌を出す。
空気を味わうように。

契約
契約

契約

「困っているようだな」 背後から、声。
「……誰だ」
警戒する。

男は、わずかに笑う。
一歩近づく。
だが足音が、しない。
「雨が欲しいか」
男が、少しだけ顔を近づける。 その瞳が ―瞬、揺らぐ。
水のように。

「……代わりに、何を」
絞り出すように問う。


男は、少しだけ楽しそうに目を細める。
「娘を一人」
「三人いるのだろう?」
心臓が、跳ねる。
なぜ、知っている。

「選ばぬのも、また選択だ」
「時は、残っていない」

気づけば、
男の姿は消えていた。

夜叉姫誕生
夜叉姫誕生

夜叉姫誕生

「問おう」 空間が、震える。
「受け入れるか」
龍神の気配が、変わる。
「……面白い」
水が、渦を巻く。
再構築
見えない文字が、流れる。
《状態:消失》
《再構成開始》
《適合率:上昇》
雨の記憶。川の流れ。海の深さ。
《存在進化》
《称号付与》「夜叉姫」
水が、割れる。意識すれば、形を変える。
「……なるほどね」「――これは、“雨”じゃない」
「……私だ」

大雨召喚
大雨召喚

大雨召喚

「いくよ」
夜叉姫は、ゆっくりと手をかざした。
空はまだ、晴れている。
雲一つない、乾ききった青。
だが―― 空気が変わる。
湿り気が、満ちる。

「……集え」
その一言で、空が歪んだ。
遠くの雲が、引き裂かれるように動く。
風が、逆巻く。
大地の水分が、蒸気となって昇る。
川の残り水が、震える。
空へ、引かれていく。

夜叉姫の瞳が、蒼く光る。
そして――
《大雨召喚》
ドン、と空が鳴る。
一瞬で、雲が完成する。
黒い雲。
重い雲。
天を覆い尽くす水の塊。

次の瞬間――
叩きつけるような豪雨。
視界が消える。
音が消える。
雷が走る。
風が吹く。
だが荒れない。
すべてが制御されている。

夜叉姫は、小さく呟く。
「……これが、“雨”だ」