株主優待の確認方法

時として、株主優待の有無や内容に疑問が湧く場合があります。
そうした場合に、どのように優待内容を確認すればよいでしょうか。
その正当性には、どのような順位があるのか。
少し、書いてみたいと思います。

(1)適時開示情報 IR
株主優待は、企業価値に大きく関係しており、
その有無や内容は、最終的に株価に大きな影響を与える。
このため優待の内容は、
必ず適時開示情報に開示されて、
IRとして永久に保存される。
公開されたIRは、一字一句が投資家にチェックされ、
その内容が見極められるので、
安易に記事を撤回したり、修正することはできない。
修正する場合も、同様にIRとして適時開示情報に載せないといけない。
この適時開示されたIRが、1次ソースとして最も信頼できるものとなる。
あとから述べる優待情報は、この情報を編集したり、加筆したりするもので信頼性は低くなる。

公開された適時開示情報は、JPXの開示情報検索で検索、閲覧ができる。
https://www.release.tdnet.info/index.html

ただし、公開されるのは、直近30日分だけなので、
それ以前のIRは、この情報を保管し検索可能な2次情報サイトとなる。

このIRの言語表現はやや難解で、
一般の投資家に分かり難い場合があり、
個人のブログなどで、
この適時開示情報を転記してコメントを発信することがある。
そうした場合でも、転記が部分的だったり、
勝手な解釈によるコメントを付加する。
開示情報は、一字一句なりとも抜粋したり、
付加してはならない。
僅かでも欠損した情報は、元の開示情報とはもう異なるものだ。
編集された情報は、改竄されたものに等しい。
開示情報は、時に、行間字間を読むような熟読を要するからである。
改悪や改善という表現も、
あくまで個人的な見解であるので、鵜呑みにせずに、
かならず自身で元ソースの適時開示情報を参照した方が良い。

開示情報は過去30日間しか検索、取得できないので、
個人ブログの場合、多くがリンク切れになっている。
また、元ソースへの直リンクすら掲載していないのは、
論外である。
IRには、一見改善に思えて改悪だったり、
こっそり長期判定条件を加えたり、
欄外に重要な記述があったりする。

重要文書のあるあるだが、
「一番大事な事は、小さい文字で書いてある」のである。
だから、文書の一部だけを転載したり、
要約だけ読んで、読み飛ばしたりすると、
一番大事な情報を読み漏らしたりすることもしばしばだ。
読み辛く、難解な部分にこそ、本音が隠れている。
優待の額面などの分りやすい表現に気を取られがちだが、
必ず自分の目で見定め必要がある。

(2)企業HP
優待実施企業は、適時開示したIRを自社のHPでも必ず公開している。
IRライブラリーという項目で公開していることが多い。
また、そのIRに基づいた株主優待情報を再掲載している。
その優待内容をより具体的に詳しく記述することもあれば、
逆に敢えて全く載せない場合もある。
だが、公開されたIRにのみ正当性があるので、
その内容と違うことがあってはならない。

(3)四季報、および、証券会社の優待情報、取引ツール
先の適時開示されたIRは、東洋経済新報社により収集されて、
最終的に四季報でまとめられる。
その優待情報が、証券会社の優待情報として提供される。
ただし、この優待情報は月に1回20日頃に更新されるので、
その間に変更のあった優待情報に関しては、
基本的に漏れることになる。
逆にいえば、20日直前に発表された改悪などは、
1か月近く四季報情報には反映されないので、
当月が権利月であった場合は、
改悪を知らずに権利取りを行うことが起きうる。
だから、証券会社の優待情報を鵜呑みにせずに、
必ず直近1か月分の適時開示情報をチェックする必要がある。

証券会社が提供する取引専用ツールも、
この四季報情報を参考にしているので、
実質1カ月遅れた情報となる。
証券会社だからといって盲信せずに、
記事が常に最新で正確だとは限らない。

最近では、権利日直前で優待を廃止したり、
改悪したりする例もある。
狙ったかのように20日前後に悪いIRを公開するような例もある。
その場合、四季報情報には当然反映しないので、
証券会社の優待情報では確認できないと理解すべきだ。

(4)ヤフーファイナンス、まとめサイト、個人ブログ
ヤフーファイナンスの企業情報、優待情報は、四季報情報を元に公開している。
雑誌や優待情報をまとめて記事としているサイトの場合も、
最終的に四季報情報を元ネタとしていたりする。
四季報情報には、更新間隔があり情報が漏れる期間がある。
このようなサイトでは、情報が半年、一年と更新されないので、
とても古くて使い物にならない。

個人が作っている優待まとめサイトは、
先の四季報を元ネタとしたヤフーファイナンスや
証券会社のものを、コピペしたものだ。
多くの場合、過去の情報のままであり、
勝手な編集を加えて記事に正当性もなく、
場合によっては誤りや思い込みを含んでいる。

ただし、優待企業のIRや四季報情報だけでは、
優待内容の具体性に欠けたり、
実際の優待使用時のメリット、デメリットなどが
分からない。
それは、あくまで個人的な感想であること理解した上で、
よく咀嚼して判断する。
また、ステルス改悪というIRだけではわからない
優待使用時にならないと判明しない改悪は、
個人ブログなどを参考にしないとわからない。

同様に、Twitter,2ch板などの匿名性の高いソースに至っては、
真偽も定かではないことを理解した上で利用すべきだ。

(5)雑誌、書籍
雑誌の場合は、記事の編集から発行まで数か月を要する。
また、四季報情報を元ネタにした記事が基本になるため、
記事としてさらに古いものとなる。
優待情報も当然古くなっているので、
既に廃止した優待企業をランキング上位に載せるなど、
まったく信憑性の疑わしい記事になることもしばしばある。
広告主などにも配慮が必要になるので、
記事や銘柄の選択などにもやや疑問が残る。
最近では、優待投資家やカリスマブロガーなどを採用した、
誘導記事などが多くみられる。

書籍、ムックに至っては、雑誌よりもさらに記事が古くなるので、こと優待記事に関しては、まったく役に立たないと思った方が良い。

(5)ヤフオク、アマゾン
優待を自己消費する場合は、
その人の価値観により、
優待の価値は大きく変わるだろう。
だが、転売、売却したり、
物々交換などをしようとすると、
絶対的な金銭価値で評価が必要だ。
その場合に、参考にされるのが、
ヤフオクでの落札相場だ。
製品番号(JANやISBN)が明確なものは、
アマゾンで検索することで、だいたいの相場が分かる。
金券やノベルティなどの非売品は、
アマゾンでは出品できないので、
ヤフオクを検索することになる。

他のメリカリ(金券の出品は原則禁止されているが)、
ラクマでもそれに準じる相場が形成される。
金券屋などに売却する場合も、
ヤフオク相場を参考に価格が決められることが多い。

セコく、賢く、楽しく、節約したり、蓄財したり。リスクは苦し、フリーランチは美味し。